人間のイメージの力を思い出させてくれる一冊

渡邉美樹
思いをカタチに変えよ!

人間が作ったものは、すべてイメージが基になっている。

当たり前の事かもしれませんが、裸一貫、一代で全国居酒屋チェーンを作り上げた人が語ると、重みが違います。

この本は、ワタミフードサービス㈱創業者の渡邉美樹氏が、社員への手紙という形で書いた文章をまとめた本です。生きるという事について、働くという事について、熱い口調で語りかける内容となっています。

居酒屋業というお仕事は、お酒と食事でお客さんを楽しませるという仕事ですが、それ自体は特に真新しい産業ではありません。しかしながら、如何にして楽しんでもらうかという事は、とても深いテーマです。

単に儲けるという事だけでなく、人間哲学、労働哲学をベースとした渡邉美樹氏の思想と、思想を現実に変える為の行動が、事業者として成功できた理由であることが、この本を読むとよくわかります。

人間は欲と感情の塊ですから、うまくいかない時には落ち込んだり、嫌になったりします。楽して儲けたい、サボりたいという考えが浮かぶときもあります。夢や理想では生きていけないという、「大人の」考え方もあるでしょう。

そんな時には、この本を開いてみるといいでしょう。自分を取り巻く状況に流されるのではなく、自分が人生の主役としてチャレンジしていく事の尊さを、この本は思い出させてくれます。

本の後半では、北海道での自然学校の話や、カンボジアに作った小学校の話が中心となっています。どちらも、とてもいい話です。渡邉美樹氏の今の「思い」が、これからどんな「カタチ」になっていくのか、とても楽しみです。

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