第23回札幌ビジネス読書会を開催しました(2013.11.30)

 札幌で読書会を主催している購買サポートセンターの宇山です。

 札幌も雪が降る季節となってきましたが、今年は少し暖冬の気配です。

 11月最後の土曜日に、23回目となる札幌ビジネス読書会を開催しました。

 今回の出席者は、男性7名、女性1名の合計8名でした。そのうち初参加が3名、ほぼ一年振りの参加が1名という内訳です。

 さて、今回の課題本は『武士道』新渡戸稲造 著です。

 

 武士道 (岩波文庫)

武士道―人に勝ち、自分に克つ強靭な精神力を鍛える 知的生きかた文庫

 五千円札の肖像としても知られている著者ですが、教育者、学者のほか国際連盟事務次官なども務め、明治から昭和の激動期に活躍しました。現在の北大の前進となった札幌農学校で学び、卒業後は教授として教鞭を取るなど、北海道にもゆかりのある人です。今回の課題本は『BUSHIDO, THE SOUL OF JAPAN』というタイトルで1899年に英語で出版されています。

『(中略)私は封建制と武士道がわからなくては、現代の日本の道徳の観念は封をしたままの書物同然であることがわかった。』

-『武士道』第一版序文より抜粋

 日本人の倫理観、人生観に対し、果たして武士道はどのような影響を与えているのでしょうか。出版後、世界各国でベストセラーになり、当時のアメリカ大統領も感銘を受けたというこの本をテキストにして、武士道とは一体何なのかを参加者全員でディスカッションしてみました。

 武士道という言葉は、日本人の誰もが知っていますが、その中身についてしっかりと説明できる人は少ないのではないかと思います。せいぜい時代劇で得た知識くらいではないでしょうか。参加者の皆さんからも、現代の考え方と違うところ、そして今でも日本人の大事な価値観として残っているところなど、様々な感想がでました。

 特に、武士は金銭を卑しいものとして考えていたことについて議論が行われました。現代の日本人にとって、お金や経済はもっとも優先すべき価値観だと言えます。著者の新渡戸稲造は、「日本には宗教教育が行われていないが、日本人の倫理感はどのように形成されているのか?」という外国人の質問をきっかけとして、この本を書いたそうです。武士道というものは、経済の上に存在する倫理的な価値観を守るための思想だったのではないかと思いました。

 なかなか読みこなすのも難しい本でしたが、日本人という存在を改めて考えてみるための良いテキストだったと思います。

 参加者の皆さん、有難うございました。

 かたじけなき候

20131130-01

 

第21回札幌カフェ読書会を開催しました(2013.11.28)

 購買サポートセンターの宇山です。

 今回の札幌カフェ読書会ですが、告知後あっという間に満員御礼となりました。これまで開催してきて初めての出来事です。初めて参加してくれた人も多く、札幌にも読書会が少しだけ認知されてきたのかな、と思いました。

 今回は男性が3名、女性が6名(内見学1名)というメンバー構成でした。それではどんな本が紹介されたのか見ていきましょう。

 トップバッターは営業のお仕事にがんばっているIさんです。

 タイトルの「ニサッタ」とは、アイヌ語で「明日」を表す言葉だそうです。地元の斜里町を舞台にした小説ということでした。

『ニサッタ、ニサッタ』
乃南 アサ

 二番目はTさん、この本を読んで恐怖におののいてしまったそうです。最近は札幌市街にも出没していますので、皆さんも注意しましょう。

『羆嵐』
吉村 昭

 三番手は初参加のTさん、申し込みは娘さんだったのですが、母親として代理参加です。プレゼンからは眠りをモチーフにした幻想的な小説という印象を受けました。

『白河夜船』
吉本 ばなな

 最近は読書会の常連となってきたHさんは二冊ご紹介です。最初の本はご自身が経営する会社の社員に必ず配布するそうです。

『頂きはどこにある?』
スペンサー・ジョンソン

『天皇陛下のパン職人』
渡辺 藤吉

 初参加のYさんはレストランを展開する会社にお勤めです。今回は二冊ご紹介です。どちらも「癒し」がキーワードと言えそうな本でした。

『日本の森から生まれたアロマ』
稲本正

『ダライ・ラマ こころの育て方』
ハワード・C. カトラー, ダライラマ14世

 カフェ読書会の常連であるWさん、いろいろなジャンルの名言集をよく紹介してくれますが、今日は棋界トップが語る一冊です。参加していた女性陣からは、「将棋って面白いんですか?」という質問がでました。女性はあまり将棋をしないみたいですが、将棋の魅力に目覚めた「将棋女子」なるものが流行るかもしれませんね。

『捨てる力』
羽生 善治

 初参加のSさん、緊張しているので最後のほうでプレゼンしたいということでしたが、感情が伝わってくるいいプレゼンでした。小説のプレゼンってネタバレしないようにするのが難しいんですよね。

『対岸の彼女』
角田 光代

 最後は若手のSさんです。人間の進化と病気の関係とは?という面白そうなテーマの一冊です。

『NHKスペシャル 病の起源 がんと脳卒中』
NHK取材班

 全員の紹介が終わった後には、どの本に興味があるかをみんなで語り合いました。興味を持つ本も人それぞれになるところが、この読書会の面白いところです。

 次回もいろいろな本と人との出会いを楽しみにしております。またお会いしましょう!