第26回札幌ビジネス読書会を開催しました(2014.2.22)

ソチオリンピックも終わってしまいましたね。祭りの後ってさびしいもんです。

さて、ほんのちょっとだけ暖かくなってきた札幌で、第26回目となる札幌ビジネス読書会を開催しました。

今回の課題本は、次の一冊です。

『【新訳】南洲翁遺訓 西郷隆盛が遺した「敬天愛人」の教え』 松浦光修 編訳 PHP研究所

[新訳]南洲翁遺訓

この本は、明治維新の立役者である西郷隆盛が語ったことを旧荘内藩の人々がまとめた本です。荘内藩は幕末に幕府側として戦い、西郷隆盛率いる政府軍によって降伏させられます。そんな仇である西郷隆盛の語りをなぜ本にまとめたのでしょうか。

『道は天地自然の物にして、人は之を行うものなれば、天を敬するを目的とする。天は人も我も同一に愛し給うゆえ、我を愛する心を以って人を愛する也。』

「南洲翁遺訓」 より

ビジネス書というと、欧米の著者が書いた自己啓発系の本を思い浮かべる人も多いと思います。もちろん、それらの本から学ぶべきところも数多くありますが、キリスト教を中心とした西欧の思想が背景にある本も多く、すべてが日本人の価値観に合っているとも言い切れないところがあります。

ですから、日本人が古くから培ってきた日本の思想についても学ぶ意義があると思い、私はこの本を選びました。『南洲翁遺訓』という本は、西郷さんが書いた本ではありません。旧荘内藩の武士たちが中心となって、西郷さんから聞いた話をまとめた本です。

西郷さんというと、どんなイメージがあるでしょうか。私が学生時代に学んだ歴史では、明治維新の立役者ながら、政策の違いによって明治政府から追われ、最後には謀反を起こして殺された、という風に書かれていたと思います。

今回の読書会では、男性6名、女性1名が参加してくれました。皆さんに聞いてみると、上記のようなイメージを抱いている人が多かったようです。

ところが、この本を読んでみると、西郷さんという人物についての認識を改める必要があると感じました。それどころか、今の日本に必要な考え方が、この本には凝縮されていると言ったほうがいいのかもしれません。

政治の教え
・あなたに反対してくれる人はそばにいるか?

時代の教え
・国は、道徳で守られる

事業の教え
・私なんか……と思うな!

人生の教え
・自分を愛するように他人を愛せ

など、当たり前のようで、なかなか実行できない言葉が続きます。

「知行合一」 という言葉があります。陽明学という中国の思想にある言葉です。この言葉を私は学生時代によく通った居酒屋のマスターから教えてもらいました。口先だけ達者な私に、マスターはよく言ってくれました。

「宇山さん、知行合一。知ってるだけじゃだめだよ。行動が伴って、初めて意味があるんだから」

この本で書かれていることをどうやって実践していくのか、それが今回参加してくれたみんなにとっても、一番大事なことではないかと思いました。

日本の思想、奥が深いです。

敬天愛人、みなさんどうも有難うございました!

2014-02-22 16.49.07

第25回札幌カフェ読書会を開催しました(2014.2.6)

札幌で読書会を主催している購買サポートセンターの宇山です。

2月は札幌雪祭りが開催される季節です。一年で一番寒い月ですが、本好きが集まってカフェで読書会をするには雰囲気のある季節かもしれません。

さて、今回の札幌カフェ読書会は10名プラス見学1名と満員御礼になりました。男性5名、女性が6名です。

それではどんな本が紹介されたのか見ていきましょう。

保険営業にがんばっているIさん、ビジネス書の有名な一冊と、最近はテレビドラマにもなっている小説の二冊を紹介してくれました。

道をひらく
松下 幸之助 (著)

三匹のおっさん
有川 浩 (著)

読書会常連のHさんは、コミュニケーションに関するお勧めの一冊です。

わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か
平田 オリザ (著)

Hさんからの感想です:

自分がまったく知らない本を紹介してもらえてとても刺激になります。
今回は、とても心暖まる猫のお話と
闇学なんていう変わり種の本が興味深かったです。
『ときには好きなだけわがままになってみればいい。』という本を
紹介してもらい、ぱっと開いたページの言葉が素敵だったので
ノートにメモしました。どうもありがとう。

小説のお好きなTさん、駅伝に関する感動の一冊です。

風が強く吹いている
三浦 しをん (著)

Tさんからの感想です:

『風が~』は、駅伝に興味のない方にこそ読んで欲しいです。何かにひたむきになる素晴らしさに心奪われ、読み終える頃には、駅伝見たい!と思う自分に出会えるでしょう。

いつもかばんに本を数冊入れてあるというNさんは二冊ご紹介です。

そして天使は歌う (角川文庫 (6281))

深呼吸の時間~1分で心を充電するデイリー・レッスン
アラン・コーエン (著)

久々に参加してくれた小樽在住のHさんは名言と写真を組み合わせた一冊です。

ときには好きなだけわがままになってみればいい。―Be as outrageous as you want to be.
アルファポリス編集部 (編集)

常連メンバーのWさんはコーチングの勉強にお勧めの本を二冊紹介してくれました。

コーチングが人を活かす―やる気と能力を引きだす最新のコミュニケーション技術
鈴木 義幸 (著)

この1冊ですべてわかる コーチングの基本
コーチ・エィ (著), 鈴木 義幸 (監修)

Mさんはブログを一冊の書籍にしたという作品です。結構衝撃的な内容です。

彼女失格 恋してるだとか、ガンだとか
松 さや香 (著)

読書会のゴッドファーザーHさんは旅がキーワードの本です。

旅猫リポート
有川 浩 (著)

冒険に出よう (U25サバイバル・マニュアル) (U25 SURVIVAL MANUAL SERIES)
安藤 美冬 (著)

ランチのアッコちゃん
柚木 麻子 (著)

Hさんからの感想です:

① 〈旅猫リポート 〉 有川 浩著
  野良猫ナナと青年サトルが主人公。
  ある事情でナナの受け入れ先を探さなくなり、
  一緒に旅に出ることになる。ラストは泣け
  ます。人と動物の交流たまなく、いとおしい。
  お勧め度 ☆☆☆☆☆

② 〈ランチのアッコちゃん〉 柚木 麻子著
   主人公は小学校の教材を出版している会社
   に勤めているOL三智子。
   ひょんなことからおカッパ頭の上司のアッコ女子
   とお弁当を交換することから始まる。
   あしたからランチが楽しくなります。ビタミンFの小説
   です。
   お勧め度 ☆☆☆☆

③ 〈冒険に出よう!〉   安藤 美冬著

   情熱大陸他最近TV等で新しい生き方”ノマド”で注目
   をあびている美冬さん。ノマドとはひとつのオフィス、
   ひとつの肩書き、ひとつの専門分野に縛られない
   わくわくしながら日々さまざまな場所で、自由なスタイル
   な生き方。自分さがしのヒントを欲しい人にはうってつけ。
   只今読書中に付きお勧め度はなし。

少々長くなりました。又、次回もよろしく。

女性陣最後となったYさんは、薬草に関する本と、マーケティングの本の二冊です。

自然は緑の薬箱―薬草のある暮らし
植松 黎 (著)

価格、品質、広告で勝負していたら、お金がいくらあっても足りませんよ
川上 徹也 (著)

今日のトリは若手のSさんです。こちらも旅がキーワードの本です。

「闇学」入門
中野 純 (著)

あたらしい野宿(上)
かとう ちあき (著)

Sさんからの感想です:

こんばんは!
先日の読書会ではありがとうございました!

これからショーンホワイトと高梨さらちゃんを見るために2時間半どっぷり闇に浸かって待っていようというわたしです。

Tさんの紹介した『風が強く吹いている』は、札幌ビジネス読書会Tさんのイチオシだし、読書会のみなさん面白いとおっしゃるので、ぜひ読んでみたいですね。

Hさんの『冒険に出よう』は、メインの紹介ではなかったようですが、見た瞬間にピンときました。
早速立ち読みしてみて、なるほど若い人に読んで欲しい一冊だな、と思いました。

個人的なことですが、おととい、面白い本に出会えました。高野秀行の『ワセダ三畳青春記』は、ちょっと古い本ですが、2月のマイベストになりそうです。UMAを追う探検家の高野氏の住むアパートの住人が、じつはUMAより奇想天外な人たちだったという自伝的エッセイです。ぜひご一読を!!

今回もいろいろなジャンルの本を知ることができました。本好きの仲間が欲しいあなた、読書会でお待ちしております!

第25回札幌ビジネス読書会を開催しました(2014.1.25)

新しい年も1ヶ月弱がたちました。今年第1回目となる札幌ビジネス読書会を開催しました。

2014年最初の札幌ビジネス読書会は、経済をわかりやすく学べる一冊が課題本です。

『経済は世界史から学べ!』
茂木誠 著
ダイヤモンド社
http://amzn.to/1eSCvmH

「TPP」、「デフレ経済」、「消費税率の引き上げ」、「財政再建」などなど、経済に関する話題はテレビや新聞で毎日のように目にしています。では、「TPP」とはなんでしょうか。日本の財政にはどんな問題があるのでしょうか。

—–

・『日経新聞』などを読んでも根本的なことがどうもわからないという方
・「教養としての経済学」を学ぶ機会がないまま社会人になってしまった方
・子どもの素朴な質問にうまく答えられなかった方
・通貨・金融・為替・貿易などが「なぜそうなったのか」
を歴史的に学びたいという方

本書は、こうした皆さまを対象とした入門書です。

『経済は世界史から学べ!』 はじめに から抜粋
—–

著者は駿台予備学校で世界史を教えている先生です。経済のことをもっと知るために、歴史の視点から経済にアプローチしたというのがこの本面白いところです。

今回は9名の方が参加してくれました。男性が7名、女性が2名です。そのうち、男性1名、女性2名が初参加です。札幌ビジネス読書会は、その名前の印象もあるのか、初めて参加する人、特に女性にとってはハードルが高いと感じるそうです。「間違ったことを言ったらどうしよう」とか、「議論になったら困る」という心配があるそうですが、心配ご無用です。必要なことは課題本を読んでくることと、他の人が話すのをじっくりと聞くことです。そして、自分の思ったこと、感じたこと、疑問に思ったことを素直に発言することで、とても楽しくて有意義な時間を過ごせることになります。

今回の課題本についても、「すでに知っている内容で、特に新しい気付きはなかった」という感想もあれば、「経済や歴史が苦手だったので、とてもためになった」という感想もありました。そのようなメンバーが集まった中で、TPPについてどう考えるか、消費税アップは必要?といったテーマで、それぞれの意見を聞きながら、これからの日本経済について考えてみました。

ひとつのテーマについても、見方は十人十色です。ですから、いろんな人が集まる読書会というのは、普段得ることのできない学びと気付きになるのかもしれません。そんなことを感じました。

参加者の皆さん、どうもありがとうございました!感謝です。

2014-01-25 16.54.53追記
著者の茂木誠様より、ブログでコメントを頂きましたので、紹介します。

宇山様
お役に立てて光栄です。

目先の損得抜きに、地道な活動を続けられていることに敬服します。江戸時代から、日本各地でこういう勉強会が開かれていたようです。
http://mogiseka.at.webry.info/201311/article_6.html

 

 

 

第24回札幌カフェ読書会を開催しました(2014.1.23)

今年は寒さが厳しい札幌の冬です。

今日の札幌カフェ読書会は直前でキャンセルも続いたのですが、それでも5名が参加してくれました。男性が4名、女性が1名です。そのうち初参加は2名でした。

さて、真冬の読書会にどんな本が紹介されたのかチェックしてみましょう。

トップバッターは若手のSさんです。今では本の虫と言えるほどのSさんですが、そんな彼が読書にはまるきっかけとなった一冊を持ってきてくれました。学生時代の辞書みたいに真っ黒な本でした。

亡国のイージス 上&下
福井 晴敏 (著)

今回で2回目となるNさん、発売されたばっかりの一冊です。結構売れているみたいです。

人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門
中土井僚 (著)

今回が初参加となったNさん、ビジネス本がお好きとのことです。この本は札幌ビジネス読書会で課題本としたことのあるベストセラーです。

生き方―人間として一番大切なこと
稲盛 和夫 (著)

同じく初参加となったIさん、本日の紅一点でした。最近は癒しを感じる本をよく読むそうです。

まずいスープ
戌井 昭人 (著)

本日のトリは常連のWさんです。いつも紹介してくれるのとはちょっと違ったジャンルでした。

色彩がわかれば絵画がわかる
布施 英利 (著)

今回は5名という人数だったので、ゆっくりと本について語ることができました。本の紹介が終わったあとには、よく行く本屋さんの話題について盛り上がりました。

本日ご参加のみなさん、風邪引かないようにがんばりましょう!

第23回札幌カフェ読書会を開催しました(2014.1.9)

新しい年が始まって第1回目となるカフェ読書会を開催しました。

今回の参加者は7名、男性が4名、女性が3名でした。

それではどんな本が紹介されたのか、見ていきましょう。

今日のトップバッターは、久々の参加となったゴッドファーザーHさんです。

人生はワンチャンス! ―「仕事」も「遊び」も楽しくなる65の方法
水野敬也 (著), 長沼直樹 (著)

限界集落株式会社
黒野 伸一 (著)

今回が初参加となったNさんは、関東から長期滞在中です。

かもめのジョナサン
リチャード・バック (著)

組織を変えるマネジメント
佐藤 克男 (著)

いつも分厚い系の本を紹介してくれるIさん、女性の美に関する思いと怖さをモチーフにした一冊です。

モンスター
百田 尚樹 (著)

会社の昼休みに読もうとして、「うるっときて」読めなかったというTさんご紹介の本です。

ふるさと銀河線 軌道春秋
高田 郁 (著)

今回が2回目の参加となったMさんは2冊紹介してくれました。

向田邦子の恋文
向田 和子 (著)

隣りの女
向田 邦子 (著)

最近はサイエンス系の本をよく読むというHさん、手作りの模型を使ってプレゼンしてくれました。

生物と無生物のあいだ
福岡 伸一 (著)

本日のトリは常連メンバーのWさんでした。まんがの好きな人ならずとも興味を抱く一冊です。

マンガ脳の鍛えかた 週刊少年ジャンプ40周年記念出版 (愛蔵版コミックス)
門倉 紫麻 (著)

今日もいろいろなジャンルの本が紹介されました。今年も読書会で静かに盛り上がれるといいですね。