夜と霧読書会に参加しました(2013.4.19)

購買サポートセンターの宇山です。

路肩に積みあがっていた雪もすっかり消えてしまいました。桜前線もそろそろ北海道に上陸しそうです。

穏やかな陽気になった4月の土曜日に、『夜と霧』を愛読するメンバーによる読書会が開催されました。

主催者は「夜10時まで電話受付している社会保険労務士」の山内さんです。

これまでは読書会の参加者だった山内さんですが、いよいよ主催者としてデビューです。

今回の課題本は『夜と霧』という本です。第二次世界大戦時、ドイツのユダヤ人収容所で過酷な体験をした心理学者のヴィクトール・E・フランクル氏の筆による一冊です。

ユダヤ人であるという理由だけで、すべての自由を奪われ、家畜以下の環境で厳しい労働を強制され、働けなくなれば虫けらのように殺されてしまう、それが収容所に送られた人間の運命です。

この本は、単に収容所の生活を描写するだけでなく、収容所で生活する人々の精神について、心理学者としての目線から書かれています。絶望的な状況のなかで、人はどんな選択をとることができるのか、これがこの本の背景にある主題でしょう。

今回は五人のメンバーが参加して、この本の感想や心に残ったフレーズ、疑問に思ったことなどをシェアしました。

以下に私の心に響いたフレーズをいくつか挙げておきます。

『人は強制収容所に人間をぶちこんですべてを奪うことができるが、たったひとつ、あたえられた環境でいかにふるまうかという、人間としての最後の自由だけは奪えない、』

『苦悩と、そして死があってこそ、人間という存在ははじめて完全なものになるのだ。』

『人間はどこにいても運命と対峙させられ、ただもう苦しいという状況から精神的になにかをなしとげるかどうか、という決断を迫られるのだ。』

『しかし自分の未来をもはや信じることができなかった者は、収容所内で破綻した。』

『「あなたが経験したことは、この世のどんな力も奪えない」』

「本を読むことによって、人は他人の人生を知ることができ、そして自分の生き方について考えることができる。読書はとても内省的な行動であるが、読書会で語り合うことによって、読書は人と人がつながる行動になる。」久々に一人の参加者として読書会に出て、そんなことを考えました。

主催者の山ちゃん、有難う!

札幌カフェ読書会を開催しました(2013.4.11)

札幌で読書会を開催している、大人の学びプロデューサーこと購買サポートセンターの宇山です。

4月になって、雪も少しずつとけ始めています。

札幌カフェ読書会は、お互いが好きな本を紹介しあうという読書会です。自分の知らない本、普段は手にすることもないジャンルの本などを知ることによって、読書の幅が広がります。また、一冊の本をきっかけにして、新しい友人を作ることもできます。大人になると、新しい友達を作る機会もそうあるもんではありません。

今回の読書会には5名の本好きが参加してくれました。

哲学好きのTさんは、数学に関する一冊です。数学が好きだった人、嫌いだった人、そんな話で盛り上がりました。

ブログもご覧ください。

『春宵十話 随筆集/数学者が綴る人生』岡潔 著

ゴッドファーザーHさん、今回も3冊ご紹介です。大学の図書館も活用するなど、その読書熱には感服です。

『北海道ルール』都会生活研究プロジェクト[北海道チーム] 著

『考えない練習』小池 龍之介 著

『ルーズヴェルト・ゲーム』池井戸 潤 著

雑誌編集者として日々がんばるKさん、ご自分の読書会の課題本のご紹介です。
『わたしを離さないで』 カズオ・イシグロ 著

今回が初参加となったYさんは、自然に関する本を紹介してくれました。

『森と海からの贈りもの―二人の「自然の使者」から子どもたちへ』ジェーン グドール 著

『森の旅人』ジェーン グドール

『ジェーン・グドールの健やかな食卓』ジェーン・グドール 著

『タオ―老子』加島 祥造

歴史と旅が好きなOさん、今回も旅の一冊です。

『坂東三津五郎 粋な城めぐり』坂東 三津五郎 著

今回もいろいろな話題で盛り上がりました。北海道にもそろそろ春がきますね。読書会のメンバーで一緒に旅してみるのも面白そうです。

札幌カフェ読書会-パンとワインと本で交流-を開催しました(2013.3.30)

札幌で読書会を開催している購買サポートセンターの宇山です。

今回は、参加者がお互いに本を紹介し合うスタイルの読書会「札幌カフェ読書会」を開催している「詩とパンと珈琲の店モンクール」を会場にして、ワインを飲みながら語り合うという交流会をやってみました。

参加者は、男性10名、女性5名、年齢や職業なども幅広いメンバーが集う会になりました。

まずはワインで乾杯のあと、モンクール店長ご自慢のパンを味わいながら、本や趣味の話で交流します。

そのあとは自己紹介、そして本のプレゼンなども行いながら、楽しいひと時を過ごしました。

今回プレゼンされた本は次の通りです。

Oさんご紹介の一冊です。

『慶應三田会 組織とその全貌』島田裕巳

モンクール店長のお勧めです。

『スケッチトラベル』堤大介、ジェラルド・ゲルレ

札幌ビジネス読書会常連のTさんは三冊でした。

『風が強く吹いている』三浦しをん

『縮む世界でどう生き延びるか?』長谷川英祐

『十二人の手紙』井上ひさし

文学もビジネス書も、のKさんは二冊です。

金子光晴のラブレター (1981年)

『夢二の恋文』近藤富枝 監修

世界30ヶ国を旅してきたというMさん、本のほかに、本の舞台となったところのパンフレットも紹介してくれました。

『夜と霧 新版』V.E.フランクル

「アウシュビッツ・ビルケナウ その歴史と今、案内書、記憶の場 博物館」
3点のアウシュビッツで購入したパンフレット
アウシュヴィッツ=ヴィルケナウ強制収容所公式サイト

そのほかには、お勧めジャズのプレゼンなんかもあり、本だけでなくたくさんの話題で盛り上がった一日でした。

参加者の皆さん、有難うございました。

第17回札幌ビジネス読書会を開催しました(2013.3.30)

札幌で読書会を開催している購買サポートセンターの宇山です。

今回の課題本は、アメリカで戦略論の大家として知られているリチャード・P・ルメルト氏の戦略論に関する一冊です。

『良い戦略、悪い戦略』

戦略という言葉はよく使われる言葉ですが、「それでは戦略とは何か」と聞かれると、なかなか明確には答えられない人も多いと思います。

この本で著者は戦略について、『戦略とは、組織が前に進むにはどうしたらよいかを示すものである。戦略を立てるとは、組織にとって良いこと、好ましいことをどうやって実現するかを考えることである。』と定義しています。

そして、良い戦略と悪い戦略の具体的な事例を挙げながら、良い戦略にはなにが必要かを教えてくれます。

良い戦略は、次の三つの要素から構成されています。
1.診断
2.基本方針
3.行動

悪い戦略には、この三つのどれか、またはすべてが欠けています。特に、具体的な行動を示していないケースが多いようです。

今回の読書会では、本を一章ずつ読み返しながら、そこに書かれている内容を確認して、ディスカッションを深めるという形をとりました。

組織にとっても個人にとっても、生きるか死ぬかの場面になればなるほど、戦略というものが重要になってくると言えそうです。なぜなら、行動するためには、何かを捨てなくてはならず、その決断は厳しいものになるのが常だからでしょうか。

一冊の本をベースにして、これからの生き方を考える時間が共有できた読書会だったと思います。

参加者の皆さん、どうも有難うございました。